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「Celonis Day Osaka 2024」開催—日本の高齢化や労働力不足に対する革新的なアプローチ、「Autonomous Enterprise(自律型企業)」
イベントレポート第一弾

2024.12.27

2024年12月3日、インターコンチネンタルホテル大阪にて「Celonis Day Osaka 2024」が開催されました。本イベントでは、プロセスマイニングのマーケットリーダーであるCelonisが、日本企業向けにプロセスマイニングの最新動向やその活用事例を紹介しました。本稿では、各講演の重要なポイントを抜粋してご紹介します。また、当日の各講演の詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。

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本イベントは、Celonis株式会社 代表取締役社長 村瀬 将思が登壇する基調講演によってスタートしました。

DXの最終ゴール、Autonomous Enterprise(自律型企業)とは

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日本は高齢化と労働力不足に直面しており、日本の2022年の「時間当たりの労働生産性」は前年の世界28位から30位に後退しています。こうした課題解決のアプローチに村瀬が提唱するのが、「プロセスファースト」です。これは、デジタル化やツール導入、個別最適化を優先するのではなく、業務プロセスそのものの変革を起点とする考え方で、これがDXの最後のピースとなります。

CelonisのプロセスマイニングのプラットフォームであるProcess Intelligence Graphは、従来のように単一のプロセスにフォーカスして可視化するのではなく、伝票などの「モノ」(Object)にフォーカスし上流、下流および並行プロセスも含めて、実際の業務に沿ったマルチプロセスの可視化、分析を実現します。これは次世代のプロセスマイニングである「OCPM(Object Centric Process Mining)」により可能となり、現実の業務を分析し、改善点を洗い出してアクションを実行、そしてモニタリングを行うことで、これまで見過ごされてきた非効率性を改善し、企業全体の効率化と生産性向上が実現できると村瀬は今回の基調講演で述べました。

さらに、生成AIとプロセスインテリジェンスの融合で、生成AIは、顧客固有のビジネス、業務内容に関するコンテキストを活用することが可能になり、さらにChatGPTのようなインターフェイスにより、IT担当者のような技術専門家だけではなく、実際の業務部門の担当者の誰もが、お客様特有の社内プロセスのインサイト(洞察)を容易に取得することができるようになります。あるべきTo-Beプロセスを定義し、常にプロセスマイニングで取得できた現状のプロセスを照らし合わせることで、そのギャップを埋めるためのアクションを実行することにより、企業の6〜7割の業務をエンドtoエンドで自動化できると村瀬は話しました。

人にしかできない仕事に人材を集中させた上で、その他の業務をエンドtoエンドでオーケストレーションさせることにより、常に生産性を向上し、効率化を図りながら自律的に運営可能な「Autonomous Enterprise(自律的企業)」へと変革していくことが「日本の最後の切り札になる」と村瀬は呼びかけました。続けてCelonisユーザーである企業のエグゼクティブを壇上に迎えました。

生産リードタイムの改善やERP移行などにCelonisを活用しパナソニックグループが業務プロセスを改革

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続いて、パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 代表取締役 副社長執行役員の阿部 裕 様が登壇し、講演を行いました。パナソニックグループでは、PX(パナソニックトランスフォーメーション)について「7つの原則」を定めており、注力しているテーマに「プロセスマイニング活用」を掲げています。

具体的な事例として、生産リードタイムの改善にCelonisを活用し、製造実行システムと連携して工程別リードタイムを可視化する取り組みがあります。阿部様は「テクノロジーを活用すると、全体的なリードタイムが可視化でき、どこを目標にして、どこに課題があるのかを具体化できます」と述べ、これにより現場が非常に良い形で進み始めているとしました。

また、ERPに際しても、S/4HANAへの移行時にCelonisを活用しており、「カスタマイズの活用実態の把握などの業務プロセスの可視化と、業務プロセスの標準化、また、最適化された業務プロセスが適切に遂行されているかの確認などを行っています」と阿部様は説明しました。今後は、SAP以外にも活用を広げ、プロセス改革をさらに加速していくとともに、「内部統制などの領域にも活用の幅を広げ、経営効果を創出していきたい」と話しました。

最後に、阿部様は、「プロセス改革とデータ活用に近道はなく、現場や経営者と向き合って一つ一つ愚直に進めていくことが大事です。その上で、Celonisをはじめとする進化したテクノロジーを利用することが肝要です」と締めくくりました。

AIとデータで進化するCelonisのプロセスマイニングで描く「次世代の業務革新」

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プロダクト講演では、Celonis株式会社 バリューエンジニアリング本部 第二本部 プリンシパル バリューエンジニアの原田 豪が、Celonisを活用したプロセスマイニングの進め方について解説しました。

システム化や業務整理のためにモデル化した、いわゆる「標準プロセス」と、実際の業務との間にはギャップがあるのは当然です。そこで、ウィル・ファン・デル・アールスト(Wil van der Aalst)教授が「現実的なプロセスから標準モデルを作ろう」と発想し、生まれたのがプロセスマイニングです。

そして、現実の複雑に絡み合った業務プロセスから、大多数が通るメジャーなプロセス(ハッピーパス)を抽出し、これを標準のモデルとしていく際に「例外処理を悪とは考えず、例外を業務に合わせるか、あるいは例外プロセスを改善するか、あるいは何もしないかなど、優先順位をつけ対応していく判断の仕組みがプロセスマイニングです」と原田は話しました。

また、原田はデモを通じて、プロセス分析用ダッシュボード「プロセスコックピット」を使用し、収益、キャッシュフロー、オーダー変更、遅延、ブロックなどのデータを解析する一連の流れなどを紹介しました。

最後に、「現状からハッピーパスを求め、乖離があるプロセスは何が原因かを確認するプロセスマイニングからスタートし、ぜひDXを成功に導いてほしいです」と語り、「Celonisはプロセスインテリジェンス(PI)と生成AIの力を活用することで、プロセスマイニングのスピードを上げ、効率化と価値創出を支援する次世代ソリューションを提供します」と締めくくりました。

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