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「Celonis Day Tokyo 2024」開催—日本企業が意識するべき「プロセスファースト」の重要性
イベントレポート第二弾

2024.9.19

2024年7月26日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「Celonis Day Tokyo 2024」が開催されました。このイベントは、プロセスマイニングのマーケットリーダーであるCelonisが、プロセスマイニングの最新動向を日本企業に対してご紹介するものです。本稿では、各セッションのエッセンスを紹介します。なお、イベント当日の各講演については、こちらからご覧いただけます。

イベントレポート第二弾では、今回の特別講演であった、プロセスマイニングの生みの親のウィル・ファン・デル・アールスト教授の講演「プロセスマイニングの創始者が語る:25年の歩みと未来展望」のダイジェストと、Celonisプロダクトセッション4講演についてご紹介します。

Celonisがプロセスマイニングを牽引できる理由とプロセスマイニングが担う役割

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プロセスマイニングでは、イベントデータから現実のプロセスをモデル化し、パフォーマンスやコンプライアンスの問題、ボトルネックなどを特定します。現在、プロセスマイニングツールのベンダーは50社以上存在しますが、Celonisはその中で50%以上の市場シェアを誇ります。

これについて、Celonis株式会社 チーフ・サイエンティストで、RWTHアーヘン大学 正教授のウィル・ファン・デル・アールストは「Celonisの強みは、プロセスマイニングの利用を全てのユーザーに開放したこと、さまざまなシステムからデータを抽出して再現性を高めたことです。そして、プロセスマイニングとアクションフローを組み合わせ、オブジェクトセントリックプロセスマイニング(OCPM)を最初に提供したことなども強さの源泉です」と述べます。

OCPMは、ビジネスにまつわるデータを包括的に捉え、複数のオブジェクト間の関係性を可視化します。これにより、従来のプロセスマイニングでは難しかった、複雑なプロセスの分析が可能になり、製造業、医療、航空などさまざまな分野で活用されています。

またプロセスマイニングは、AIをビジネスで利用するためのenabler(実現するもの)としての役割を果たします。複雑な現実のデータをプロセスマイニングで整理し、機械学習で分析することで、より効果的な問題解決が可能になるのです。

「『Celonis Process Copilot』は、専門家でなくてもプロセスマイニングを活用できるインターフェースです。例えば、デリバリー遅延の原因を調べる場合、Copilotとの対話を通じて、プロセスの可視化や問題点の特定を行うことができます」(アールスト)

いまさら聞けないプロセスマイニングの基礎とCelonisの価値

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午後のプロダクトセッションでは、Celonis バリューエンジニアリング本部 部長の寺田 有汰と、同本部 マネージャー・リード バリュー エンジニアの尾崎 直子が、Celonisを用いたプロセス分析の基礎について解説しました。

寺田は「設計書上の業務プロセスと従業員が想定する実際のプロセス、そしてデータが示す現実のプロセスにはギャップがある」と話します。そこで、Celonisは従来のプロセスマイニングに加え、プロセス間の関係も含めて可視化可能なOCPMという分析手法も積極的に取り入れています。

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尾崎は、具体的なプロセス分析(プロセスマイニング)について紹介しました。プロセス分析のアプローチには大きく、「探索型」と「仮説検証型」があります。探索型は「改善したいテーマはあるものの、具体的な非効率や改善ポイントがわからない」ケースで用いる手法で、ゴールを明確化することが成功のポイントです。尾崎は「あらゆるプロセスが分析可能なメリットがあるものの、価値実現までの時間が長く、プロセスが変わるごとに最初から分析が必要な点に考慮が必要です」と話します。

一方、仮説検証型「改善したいKPIが明確な場合において、ToBe とAsIsのギャップにフォーカスする手法」です。仮説検証型の分析には、Celonisのテンプレートの活用が有効となります。

Celonisには、あらゆるプロセスで利用可能な「Universal StarterKit」などの豊富なテンプレートがあり、信頼性の高い分析と価値実現までの時間短縮を実現します。さらに、これまで蓄積してきたナレッジが活用可能で、プロセス分析を強力に推進するOCPMにより、ビジネス全体の分析が可能になるため、改善活動を支援できると尾崎は胸を張ります。

Celonisプロジェクトをはじめるために必要な3つのポイント

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午後のプロダクトセッションでは、Celonis株式会社 サービス事業本部 事業本部長の渡部 貴志と、同本部 プロフェッショナル・サービス部 リードサービスコンサルタントの生駒 俊佑も登壇し、「Celonisプロジェクトのはじめ方」について解説しました。

渡部は、「導入プロジェクトのスケジュール、お客様の稼働目安、お客様側の体制や必要スキルなどを、失敗しないプロジェクトの進め方について参考にしてほしい」と話します。

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続いて、生駒は、Celonisプロジェクトを始めるために必要な3要素として「スケジュール計画」「体制構築」「ソースシステム準備」を挙げます。

「スケジュール計画」については、1つのプロセスのプロジェクト期間について、「キックオフ」「データ接続」「要件定義」「分析」「ソリューション作成」「運用」トータルで14週間を推奨。このうち、要件定義と分析がメイン(8週間)で、その後、成果を得るためのソリューション構築を経て運用に至ります。

また「体制構築」のポイントでは、プロジェクト推進に必要な「エグゼクティブスポンサー」「プロジェクトマネージャー」「データエンジニア」「データアナリスト」の4つの役割が紹介されました。

そして、「ソースシステム準備」では、ボトルネックになりやすいポイントとして「セキュリティポリシーの確認」「データ期間/量の確認」の2点が挙げられました。

最後に生駒は、これらのポイントをよく確認して、必要に応じてCelonisやパートナーに相談の上、プロジェクトを成功に導いてほしいと締めくくりました。

Celonisの「Orchestration Engine」によって「自律型企業(Autonomous Enterprise)」を実現

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続いて、Celonis株式会社 バリューエンジニアリング本部 リードバリューエンジニアの施 瑞と、サービス事業本部 プロフェッショナル・サービス部 シニアサービスコンサルタントの尾上 健太郎が「自律型企業(Autonomous Enterprise)」をテーマに講演しました。

施は、自律型企業を「あらゆる業務プロセスがインテリジェントなシステムによって 自律的に運営される企業」と定義した上で、「Celonisのプロセスマイニングにより行う業務プロセス改善は、どうしても部分的になりがち」だと指摘します。しかし、生産性最大化には業務エンドツーエンドの効率化・自動化が必要です。そこで求められるのが、必要に応じて「人の判断を促し」「プロセスの状況を常に抑えながら」「問題の発生自体を抑制する仕組み」であり、その機能を担うのがCelonisの「Orchestration Engine」です。

尾上は、「Orchestration Engine」の特徴として「ユーザーインターフェースを簡単に構築」「あらゆる状態をワークフロー中に保存」「さまざまなUI上にCelonisインサイトを表 示させ、行動変容を促す」の3点を挙げます。そして、具体的な事例として「Eコマースにおいてユーザーの注文後に納品が遅れた結果、キャンセルとなってしまう」というケースを挙げ、「Orchestration Engine」がユーザーの注文時に最適な代替品提案を行い、納期通りに商品配達を実現するまでのプロセスをデモで紹介しました。

実際に独医薬品大手Stadaでは、CelonisのプロセスインテリジェンスとOrchestration Engineを融合し、購買業務プロセスをエンドツーエンドで改善する効果を得ています。

最後に施は、生産性を最大化する業務エンドツーエンドの効率化・自動化の実現に「Orchestration Engine」の活用を検討して欲しいと語りました。

As-isからTo-beへ、プロセスマイニングの先にある「プロセスマネジメント」が生み出す価値

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プロダクトセッションの最後に、Celonis株式会社 バリューエンジニアリング本部 シニアバリューエンジニア 博士(工学) 渡井 祥一と、サービス事業本部 コンサルタントの波多野 華代が、プロセスマネジメント機能がCelonisに組み込まれることによって提供できる価値を説明しました。

Celonisのプロセスマイニングでは、トランザクションログなどを活用して、プロセスのどこに課題があるかを探索しますが、データ分析にはシステムと業務双方の知識を備えていないとプロセスマイニングの結果を価値に転換することが難しい状況がありました。

その点、CPM(Celonis Process Management)とCelonisを連携させ、1つのプラットフォームに統合することで、実態の理解がより容易になり、お客様独自のビジネスコンテキストの生成、高度なビジネス分析、AI活用などにつなげる「プロセスインテリジェンス」を実現できると渡井は説明します。

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羽多野は、具体的なCPMの機能について、デモを交えて紹介しました。

1つめの「プロセスデザイナー」は、AIを活用してプロセスを効率的に作成する機能で、2つめの「プロセスナビゲーター」は、モデリングしたプロセスを組織全体で活用することを支援する機能です。そして、3つめの「プロセスコックピット」は、設計されたプロセスとマイニングされたプロセス結果を統合し、プロセスインテリジェンスを得る機能です。

渡井は、CPMを活用した事例としてドイツの医療機器会社の事例を紹介しました。同社は、プロセスコックピットでパフォーマンスデータとプロセスモデルを組み合わせることで、潜在的な改善可能性を特定しました。具体的には、最適化されていない修理プロセスが60%あることが判明し、これに対処することで、保守に関するサイクルタイムを59日改善することができたということです。

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